片側顔面痙攣で、頭蓋内微小血管減圧術手術後7日目朝。
手術からまるまる一週間が過ぎたわけだ。


特別に辛く苦しいことも、
我慢していることもないので、


漢字一杯の病名や術式を書かないと、
どうも盲腸で入院した記録みたいになってしまう。



ほんとうに私は調子がいい




いつもの通り朝4時頃から目覚めて、5時にデイルームへ移動。
携帯、筆記用具、入院・手術記録ノート、ナイフを入れたカバンと、
リンゴ1個とオレンジ1個を持参。
朝食前にかなりな腹ごなしが完了。食べ過ぎ?




部屋に戻って朝食を待っていたら、
Mr.脳外 = ウルトラマン = A医師 がやって来た。
いつもの通り、気づいたらもう傍らにいる。


抜針。」と一言。
「麻酔なし?」
「そう。」
A医師は、ふだんは決して無駄な言葉は使わないのだ。


今回は「それは嫌」と言う暇はなく、
気がついたら、A医師に言われるままに、
自分の指をからめてお祈りするみたいな姿勢で前を向いてた。


有無も言わせず‟抜針体制‟を取らせるなんて、
A医師は、きっと調教師にもなれるに違いない。




心構えなんてする暇もないまま、
いきなりバチバチ、バラバラっと抜針が進む音が聞こえた。
ホチキスの芯みたいなものが脇に落ちていくのが見える。


痛くなかった

全然痛くなった


痛くない
から心に余裕もできたし、
先生はまだ作業をしていたから、昨晩のKさんのお話しをした。

「女医の友人が目に涙を浮かべてましたよ。」

「なんで?」
「綺麗に縫ってもらって良かったね」って。
「そう。」
「でも、器用な人間がいい外科医になるわけじゃないよ。」

「・・・」
「器用な方が得だけどね。得は得だけど。」
正しい理論と、正しい心がある外科医が良い外科医だ。」
「退院前説明はまた後で!。」

と言ったか言わないかで、
もう病室から出ていく背中が見えた。




隣のベッドのNさんと、
「カッコイイ~!!」
と歓声をあげたけど、A医師には聞こえなかったに違いない。
A医師は、理系の哲学者でもあった。





入院中で一番長い回診だった。
3分以上は部屋にいたかな。

”はっ” と我に返って、
ホチキスの芯みたいな物を記念に貰おうと思って
廊下のA医師を追いかけてお願いしたけど、ダメだった。
廃棄処理しなくちゃならないって。



ちぇ、記念に写真撮っておくんだった。残念。
本当に、ホチキスの 芯の大きいのみたいなやつだった。



抜針直後術創』は、
他の患者さんにお願いして無事写真に納められた。
きっと、
片側顔面痙攣手術を考えている方たちは気になると思うから、
写真をアップしておきますね。
抜糸後初お披露目。


抜針前の『ホチキスの芯付きの術創』写真も興味も興味あるかな? 
見て怖くなると困るので、
アップは控えておきますね。


もしも、
「見ちゃった方が安心する!」と言う方がいれば、
コメント下さいね。





~追記1~2015年5月
リアル『抜針』!


12月にA医師から片側顔面痙攣手術を受けたHIROさんが、
『針』の写真を提供して下さいました。

術直後の術創は、皮膚の表層をこの「針」で、
バチバチと留めてあります。
Hiroさんご提供。抜針\(◎o◎)/!(2015.12)  HIROさんの術創にあった『針』


2015年5月現在、
HIROさんはすっかり元気になられ、
お仕事と、趣味のテニスと両方を楽しまれているそうです~。





~追記2~2017年10月

「アンさん、私の術創はこんなに酷い…」

と嘆く方がいたので、


一度だけ『ホチキスの芯付き創部』の写真を送ったことがあります。

私の、抜針前の写真を見たら、
とっても安心されていました。


抜針前の術創写真は…
どんなに丁寧に処置されたものでも、
素人目には、けっこうエグイです。
痛くはないんですけれどね…






◆KoKoRoの声◆

片側顔面痙攣という稀な病気、
微小血管減圧術という手術の成功率、
A医師との面談、
M記念病院への入院…etc.etc.


全ての中で、
夫が一番興味を見せたのが『ホチキスの芯』みたいなものの材質だった。
私に根ほり葉ほり尋ね、
手術創(=傷口)の写真を見、
その材質がなんであるか検討していた。


何でそんな物にそこまで興味があるのだろう?
私の体の一部として残っているならともかく、
もう取り去られてしまった物なのに…。


男って不思議な生き物だ。
って、こんなのうちの夫だけかな


 注目 
手術創(創部)の髪が伸びました。
美容院で指摘されるまで、髪を剃ったことを忘れていました~。今の様子はこちら。
「片側顔面痙攣手術後1年~近況報告~手術創部写真♪」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
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片側顔面痙攣、微小血管減圧術を受けた後、
抜針は痛くなかった。


何でだろう?

多分、
手術創(=傷口)全体がちょっと麻痺しているみたいだからだ。


麻痺は良くないことかもしれないけれど、
抜針が痛くなくて良かった~ \(^o^)/





午後の早い時間に、
ハイジちゃん(私の担当看護師さん)と一緒に、説明用紙を見ながら
退院後の日常生活について確認した。



退院後の日常生活について

1.活動・食事について

○特別安静にする必要はない。
○ただし、身体に負担のかかるような運動や活動は、初回外来受診時まで控えること。
○食事についての制限なし。(他疾患のない場合)
○受診時まで必ず禁煙・禁酒を実行する。←絶対厳守です!



2.手術創部・頭髪ケアついて
○洗髪前後で必ず手術創部を鏡で確認する。←私はサボった~
手術創部を触る時は、洗髪時・普段の生活共に傷つけないよう気をつける。
○抜針後一週間夏はシャワーのみ。冬は、5~10分程度の入浴とすること。
○ドライヤーを使用する際、手術創部に直接あたらないように注意すること。
退院後2か月は、パーマ・ヘアーカラーは控えること。
手術創部のかさぶたは、無理にはがさないこと。

NEW
注 意
ヘアーカラーは、3カ月は待った方が傷口に良かったとのお仲間さん情報有り。
皮膚の状態は人それぞれ。
回復を第一に考え、“いつもの美容師さん”にご相談することをお忘れなく。



3.内服薬について
○テグレトールを処方されている場合、
自己判断で内服を中止せず必ず医師の指示通りに内服すること。


4.異常時の相談
以下のような場合、脳神経外科外来に電話にて相談すること。
○手術創部に異常がある時。
(傷口が開いてしまった/出血または浸出液がある/
手術創部の周囲が赤く腫れて熱を持っている/我慢できない程痛みがある等)
○頭痛が激しく、沈痛剤を飲んでも効果がない。
○38度以上の発熱が続く。
○髄液が鼻から流れたり、喉の奥に垂れこむ感じがある時。


【注 意 ・確 認】キイテ~
本当の患部は脳の奥深く。
つまり、表面にあって見えている手術創はほんの一部のみ。
手術では、ず~と奥まで切って縫ってをしています!
諸注意はよく守って、異常を感じたら即連絡





引き続き頭痛や眩暈がある患者さんは、処方薬を持参して退院できます
病院内で治まったと思っていても、念のため処方して頂く患者さんもけっこういるみたいでした。


ハイジちゃんは、明日はお休みだから(夜勤だったかな?)今日でお別れだった。
ハイジちゃんには、親にも見せたことのないようなあられもない姿を見せてしまった
それを恥ずかしく感じさせないところがプロなんだなーと思う!

看護師のGさん、本当にお世話になりました




KoKoRoの声~2016年7月25日 アンより~

どの病気でも、
手術後の体調や手術創(=傷口)の様子に個人差があるだろうけれど、
片側顔面痙攣の患者さんは、特に手術後の状態に大きな差がある。
なんといっても痙攣の有無にかなりの違いがあるから

約半数は、痙攣が残った状態退院する。

入院中は痙攣が治まっていて、退院後また痙攣が始まる人もいる。

私自身、
退院後、一時期痙攣が復活。


でも、私は一度も手術したことは後悔しなかったし、
2014年7月に『アンの日記』を書き始めてから、
自分の人生について真剣に考え、病院・医師を真剣に選んで、
自分で選択して手術に臨んだ人達から、
後悔のコメントを頂いたことは一度もありません。




2年後の治癒率は90%以上。 
今、術後の方は、焦らず様子をみましょう。





術後2ヵ月半の様子はこちら。実際の体験からの注意事項も。
『退院後の片側顔面痙攣~症状/体調のまとめ』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-91.html
※他のお仲間さん情報も記載。

術後1年後、2年後の報告はこちら。
『片側顔面痙攣手術後1年~近況報告~手術創部写真』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-277.html
※女性なら大切な話題。美容院情報も。

『祝!片側顔面痙攣手術後2年~痙攣消失、人生復活!』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-488.html

うっかりできない美容院での注意事項はこちら
『~伝言板~片側顔面痙攣の術後のマッサージに注意』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-265.html

夕方4時頃、
Mr.脳外=ウルトラマン=調教師=哲学者 である
A医師から面談室で退院前説明を受けた。
(全部勝手に私がつけたニックネーム

きっと今日も、
微小血管減圧術(片側顔面痙攣・三叉神経痛・舌咽神経痛に共通の術式)
の予定手術があったんだと思う。



部屋に入ってからの最初の第一声は、
「風邪治ったね。」
だった。

ほぼ毎日会っていたのに・・・
その一言を今まで待たなくても・・・
A医師は、病室では本当に無駄なことは言わないらしい。




渡された「退院療養計画書」
に書かれていた文はわずか3行。

○微小血管減圧術を施行しました。 
手術所見:顔面神経に接していた血管を離して、固定しました。
○乳突蜂巣が解放しました。


その他療養上の留意点としての注意書きは、
●腹圧をかけない
●強く鼻をかまない
●トイレでいきまない
●力仕事を控える
&飛行機は1カ月控える


必要な説明があっという間に終わって、
外来予約日を決めて、はい終了。
早い。
やっぱり早い。
「やっぱりウルトラマンは3分しか時間はないのか!」
と思たけれど、今回はさすがに違った。






A医師曰く、私の脳は“環境適応能力”が高かったらしい。
“環境適応能力”は手術してみないと分からないって。

少しの脳圧の変化でも頭痛や眩暈が酷くなる人もいるし、

逆に感じない人もいる。


片側顔面痙攣の微小血管減圧術では、
患部が出るまで、頭蓋内の髄液を減らす(捨てる)。
最後には、人口液を注入して縫合するのだけど、
圧が手術前とピッタリ同じとはいかないらしい。

加えて、手術そのものの精神的肉体的ストレスもあるから、
色々な症状が出るのはごく一般的なことらしい。


「先生を信頼していたから、
精神的に良かったのかもしれません。」

と言ったら、
「うん。それもあると思う」って。


謙遜しないところが、
やっぱり欧米人的。





実のところ、私が相談した6人の脳神経外科のうち1人は親戚。
そんな話から、私の病院遍歴の話にもなった。


初診時、A医師は私に,
手術の難易度は中の上です。」
とおっしゃった。
でも、その意味は
「その人個人の状態として言っているのではなく、
片側顔面痙攣の手術を受ける患者さん全般にむけてのメッセージ。」
「命にかかわらない病気にも関わらず、
それなりのリスクを伴う手術なので、
仮に症状の重さと手術の重さを天秤にかけるとすると、
間違えなく手術の方が重い。」
「だからこそ舐めてかかる手術ではないという意味なんですよ。」
とのことだった。

「確立された微小血管減圧術という術式であるけれど、
けっして侮ってはいけない。」
「軽々しく考えてはいけない手術だから、

術者として丁寧に説明すべきだと思っています。」

「患者さんの思いも、知識の程度も差があります。
できるだけ
患者さんの気持ちに早い段階で近づくことは、
非常に大切だと思って外来に座っています。」
ともお話し下さった。


この話を、初診時にしていてくれたら、
その後+2人受診することは無かったのにな~
と思ったけど、口に出さなかった。




改めて考えてみると、
片側顔面痙攣の名医と言われるT医師の予約をキャンセルまでして、
M記念病院のA医師に執刀をお願いするなんて、
けっこう勇気ある決断だったと思う。

ほんとのことろ、私には、
世界的に有名な脳神経外科医師に執刀をお願いするチャンスもあった。
(少し時期を先にすれば予約可能だった。)


手術前説明、退院前説明の間、先生のお話しを伺っているうちに、
ちょっと怖そうと思いながらも(しつこく言っててゴメンナサイ
A医師に執刀をお願いして本当によかったな~と思った。



今は、A医師を選んだ自分に、
心から満足。




~≪追記≫~
新幹線利用について


病院からの紹介者も多いM記念病院には、
遠方からの入院患者さんも多くいらっしゃいます。


頭蓋内微小血管減圧術の手術後、
新幹線利用はよくないと言う医師もいらっしゃるようですが、
A医師の患者さんは、
新幹線を使って帰宅して問題が起きたことは今まで一度もない
とのこと。


A医師の略暦を聞きしました。新たに調べて分かったことも記載。
「片側顔面痙攣~M記念病院脳神経外科のA医師について~」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-66.html



★注 目★

KoKoRoの声~2016年8月追記~

この日の会話で、A医師は、
「それなりの頻度で、診断が異なる患者が来る。」
「自分でも、診断に迷う時がある。
片側顔面痙攣でない患者さんにこの手術をしても絶対に治らない。」
「怪しい場合にはきちんと時間をかけて診断する」

とお話しされていました。

2014年7月~2016年7月までの2年間、
私も実際に、何度か、
「片側顔面痙攣と診断され、手術するかどうか何年も迷っていたのに、
いざ手術するために専門医師を尋ねてみたら、違う病気だった」
こんなコメントを頂いています。

今『アンの日記』を読んでくれているあなた、
あなたは、本当に片側顔面痙攣???

少ない症例数しか知らない医師から診断されている皆さんは、
一度専門にされている医師を受診されることをお薦めします。

症状が似ていて、実際は違う病気の場合、
薬が有効な場合もあります。

私の病名は、右側の片側顔面痙攣
今回受けた手術は、右側の頭蓋内微小血管減圧術。きちんとトランスポジション法で手術することができた。

私には退院前にどうしてももう一度A医師に質問したいことがあった。
初診の時に先生に質問して、否定されていたことだったけれど。

「で、先生。私の左側はどうなんでしょう?」
「ほんとうに当たっている血管はないんですか?」

画像を見てチェック。
「当たってはいるよね。」

「ほらやっぱり!先生は私にウソをついてたんだ!!」

医師はびっくりした顔で、

「違うよ!」
「当たっているかどうかは、あんまり意味がない。」
「当たっていても痙攣しない人もいるから。」


「・・・・。何がいけないんだろう・・・?」
 
「いけないことなんてない。」
「貴女がいけないわけじゃない。」
「今言われているのは、イエローゾーンの存在。」


と図を描いて説明して下さった。



「こういう考えが主流になりつつある。」
とA医師もその考えを肯定している様子だった。

血管が神経を圧迫しても痙攣が起きない人がいる。
なるほど、それは事実なんだろう。

「でも、私は既に痙攣を感じてます。」

「また僕がやるから問題ない。」
「中程度になったらやりましょう。」


「ならないことを祈っていますけどね。」

医師は、最後におっしゃった。

「まずは、今を楽しみなさい。」

私は今度こそ、今度こそ本当に涙がこぼれ落ちそうになった。




私の調べでは・・・
顔面神経と血管の接触は、一般の人でも10~20%見られるらしい。
片側顔面痙攣患者のほとんどが、
脳幹部入口付近の特定部分での血管圧迫によって痙攣がおきている。
そしてMRI画像によると、私の圧迫部位は最も発症率が高いと思われる部位。
おまけに自分で痙攣を感じているのに、この先進行しないと信じることはちょっと難しい。
かな。。。

NEW2015.06追記
 
顔面痙攣と血管との接触は、一般人の20~30%という資料もあるようです。
(コメント頂きました。情報提供、ありがとうございます。

MRI画像で責任血管が認められない(見えない)のに痙攣がある方。
MRI画像で血管が当たっているのに痙攣がない方。
どちらもそれなりの人数がいそうです。
MRI画像だけで確定できない病気なので、やはり専門医の受診がお薦めです。

私が“アンの日記” を書きだしていから、
主治医を替えただけで気持ちが大きく前向きになった方がたくさんいらっしゃいます。


微小血管減圧術のための医師の団体があります。
会長ご挨拶は、手術の現状が分かるとともに、患者の気持ちも汲んで下さるものでした。

ブログを書き始めてから、両側に痙攣を感じる方が思っていたより多いと分かりました。
両側片側顔面痙攣についてご興味がある方はこちらもどうぞ。
2014.04.10「両側性片側顔面痙攣の早期手術について」