手術の具体的な方法について書いておこうと思う。

私の場合は、手術に付き添えない夫と共に、
入院前の外来で、既に手術前説明をじっくり時間を掛けて聞いていた。

それでもこの日、
片側顔面痙攣(hemifacial spasm)の頭蓋内微小血管減圧術について、
A医師(Mr.脳外)は、図を用いながら更に分かりやすく説明してくれた。
以下、M記念病院の場合。


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◆頭蓋内微小血管減圧術について
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1.名称
英表記:MVD=microvascular decompression
頭蓋内微小血管減圧術/脳神経減圧術/ジャネッタ式(俗称)など、
名称は異なるが同様の手術
間に物を挟むトランスポジション方法と、
血管を釣り上げて離すインターポジション方法に大別される。



2.手術の概略
当日、耳の後ろの髪の毛のごく一部を除毛  

 直線状に皮膚を切開

頭蓋骨に500円玉程度の穴を開ける

硬膜を切開

髄液を排出

 くも膜を切開

 小脳を軽くへらで押さえながら、顔面神経を圧迫する血管を移動
       A医師は、ほぼ押さえないとのこと(お仲間さん情報)
 フィブリン糊製剤べリプラストP コンビセット使用)で固定

髄液を補充

硬膜を元通り縫合

 頭蓋骨、筋肉、皮膚を塞ぎ

終了  イメージできるかな 

 診療明細書から。A医師には未確認。

血管の移動、固定は、手術用顕微鏡下で行われる。
責任血管を吊り上げ、骨側に移動し接着する方法(=トランスポジション法が原則。
○術中聴性脳幹反応(ABR)のモニタリング。(聴神経への負担の程度を確認)
減った髄液分は、人口液を補充。
髪の毛は事前の剃毛ではなく直前に一部のみを除毛。(皮膚を傷つけない



3.その他

通常、入院予定期間10日間。
術後の体調によって、抜糸前、入院4日で退院も可能。
ただし、約半数が痙攣が残ったまま退院。
完全痙攣消失率90%(2016年4月現在)






以上が手術方法の説明。
つまり、
髪で隠れてしまう場所に小さな穴をあけて、
かなり脳の深いところで問題を起こしている血管を、
迷惑にならない場所にしっかり移動する手術。



高度な技術が必要とされるのは、
手術顕微鏡下で行う血管移動部分。

脳幹部付近で側を走行する
聴神経、舌咽神経などを傷つけないよう配慮しながら、
顔面神経を圧迫している責任血管を、
適切かつ安全に移動、固定
させなければならない
とのこと。


責任血管の状態によっては、
トランスポジション法を取れずインターポジション法を取る場合もあります。
その場合、治癒率低下、再発率は高まることになってしまうけれど、
安全に手術を終えることを最優先させます

とのこと。



またA医師は、
開頭範囲の設定こだわりを持っている
ともおっしゃった。



私の場合は、
乳突蜂巣という耳のすぐ内側にある空洞部分にも穴を開けなければならないので、
髄液漏れのリスクが高まる。
「先生のこだわり的には、他からのアプローチではダメだったってことですよね。」
とは敢えて口に出さなかった。
(出せなかった。。。)




同じ病気の同じ手術のように見えても、、
A医師が、MRI画像やCTから頭蓋骨や血管の状態を判断して、
一人一人のための「手術戦略」を立てて下さっている事がよく分かった。



それにしても・・・
私って、いつでも少数派に入ってしまう。。。






◆KoKoRoの声◆

『 適切 』って言われると、
誰もが「そうですよね!」って納得するけど、
実際「じゃあ、適切って何?」
と問われると応えられない魔法の言葉だと思う。
自分の手術が適切だったのか否かは、
実は患者には分からないからこそ、
信頼できる執刀医師を選ばなければならない




NEW2017年1月
隋液について少々調べました(豆知識に記載)
『グリンパティック系は凄い!~脳は寝ている間に大掃除~睡眠の偉業』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-596.html

実際の手術ミスについてご紹介しています
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-412.html

2016年、『アンの日記』を続けたから書けました。
『私の執刀医について~微小血管減圧術の症例数をみて』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-547.html

A医師の手術室のイメージはこちら
「片側顔面痙攣 M記念病院~③手術のイメージはF1チーム!」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-86.html

私の実際の手術時間・治療経過概略はこちら
「病院選びの大切さ~微小血管減圧術を受けて~私の治療概略」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-100.html

手術の際の除毛について
「正解はどちら?~除毛か剃毛か?~」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-95.html

★重要★
 
トランスポジション法についての説明はこちら
「医師にして欲しい大事な質問」
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-16.html

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comment iconコメント ( 2 )

Re: 成功率・・90%は高いのか・・低いのか。

面白いことに、成功率90%は、歯のインプラント手術より高い数字です。(笑)
この頁の成功率90%というのはその時点のことで、多分今はもう少し高いと思います。

開頭すれば、圧迫の原因はほとんどの場合分かると思います。
血管以外が圧迫の原因のことはありますが、その場合も圧迫を無くす工夫をする点では一緒です。
専門医の皆さんは、「開けないと分からない」とはいいますが「開けても分からない」とは仰らなかったです。(例外はあるのかもしれませんね。)
でも、「周辺の掃除」なんて話しは聞いたことも読んだ事もありません。物の例えか、いい加減な医師かどちらかですね。(^_^;)

痙攣をお起こしているのは、実際は神経です。私は「神経の修復時間が必要」と考えていましたが、「神経の誤作動」と例えていた方もいました。なるほどな~と思います。神経が壊れない前にと思うと、早目の手術を希望したくなります。(>_<)
(神経は凹んでいたり、変色していたりする時があるそうです。)
今週中(2015年6月15日週)に、ALSの解明についての記事を書きます。その中にも少しヒントがあるかもしれません。

名前: アン [Edit] 2015-06-15 23:33

成功率・・90%は高いのか・・低いのか。

上手く処理しても痙攣が止まらない人が10人に1人はいるってことなんですよね。。。なぜでしょう。。とても不思議です。別の血管の圧迫があるのか・・はたまた、血管の圧迫が原因ではない痙攣だったのか。。私は最初の神経外科医に、開けてみたらまさかの圧迫血管がない!とかその場合、その周辺を少し掃除してあげるといいとか・・・ほんとにイレギュラーなケースが結構あるという話を聞きました。原因を特定するとはとても難しいことなのかもしれませんね。

名前: ももぞう [Edit] 2015-06-15 18:22

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