群馬大学大学院医学系研究科の柴崎貢志氏らによる研究、
『「さする」となぜ神経の突起が伸びるのかという分子機構』
―細胞伸展の感知センサー動作原理を発見―
が発表がされました。




子供が打ち身などの怪我をした時、
母親が、
「イタイイタイの飛んでいけ~」
と唱えながら優しく患部をさする光景は、
今でも見かけることがあります。

単なる迷信、
単なる子供だましかと思っていたら、
実は、科学的に根拠のある、
“おばあちゃんの知恵だった”
なんて感じの研究発表です。


先端医療情報ですが、
“直ぐに” “誰にでも”お役に立ちそうなのでご紹介します。





2010年
群馬大学大学院医学系研究科准教授 柴崎貢志氏は、
さする」様な物理的な刺激による、神経再生効果を世界で初めて発見、
発表しています。
(The Journal ofNeuroscience 2010年発表)

さする」といった刺激を、
神経の中にあるTRPV2トリップブイ2)タンパク質が、
センサーのような役割をして感知すると、
傷ついた神経の突起が長く伸ばされていました。




2017年1月11日の今回の発表は、
センサー・タンパク質TRPV2トリップブイ2)が、
さする」様な刺激をキャッチし、神経の突起を伸ばすメカニズムを
分子レベルで解明しました。

さする」といった刺激が、TRPV2 センサーをオンにする。
するとTRPV2が、瞬時(30 ミリ秒=0.03秒以内)に刺激部分に大量に集まり、
カルシウムイオンを細胞内に取り込みだす。
カルシウムイオンが取り込まれると、神経先端部の動きが活発化して、
神経の突起が大きく伸びることを確認した。

とのこと。


体の深~いところにある神経が、外の刺激を感知・増幅させ、
再生しているメカニズムが解明されました~
ブラボー





事故で運動障害を負った人が、
機能を回復させるために行うリハビリでも、
TRPV2 センサーが活性化され、
傷ついた神経回路の再生を促している可能性が高いとか。

柴崎氏は、
TRPV2 を活性化させる薬剤を開発することで、
傷ついた神経回路の再生に役立つと期待されます。」

とも語られています。





“神経”の状態が悪いと、
動きが悪いだけでなく、痛かったり、かゆかったり、痙攣したり・・・
と、様々な症状が出てしまいます。


神経再生のメカニズムが解明されたことで、
より効果的な、或いは全く新しい再生方法が
開発されるといいですね。




昔から語り継がれてきたことが、
科学的に意味があることとして証明される事が多々あります。
“傷をさする”もどうやらその一つのようです。
“おばあちゃんの知恵”バンザイ!         



論文原題:
『TRPV2 activation by focal mechanical stimulation requires interaction with the actin
cytoskeleton and enhances growth cone motility.』
2016年12月22日(米国東部標準時間)
米国実験生物学会誌 “The FASEB Journal”(ザ・ファセブジャーナル)にオンライン掲載。
(冊子体は 2017年6月に発刊予定)


-<宝箱>----------------------------------
テレビ放映がされました

2017年1月13日 フジテレビ系
直撃LIVEグッディ!
神経再生の瞬間の映像も放送。


放送内で、群馬大学大学院・柴崎貢志准教授は、
「TRPV2が動き出す温度は約38度。
軽い打撲、腹痛などの場合、
30分程度さすれば神経細胞が再生しかなり痛みは緩和する」

と発言されています。
検索して見て下さいね。
----------------------------------------------




豆 知 識~その1~

もう少し詳しくみていくと、
TRPV2 は細胞の骨に相当する“細胞骨格タンパク質”
と結合しているそうです。

「さする」様な物理刺激が加わると、
細胞骨格タンパク質が振動。
この上に乗っている TRPV2 も連動して振動することで、
TRPV2 センサーがオンになることが分かっています。


ただし、外部からの刺激があっても、
細胞外のカルシウムイオンが存在していない条件では、
神経の突起はあまり伸びないことも確認されています。



ちなみに,、
血液中のカルシウムイオンの濃度は、
1mM (10-3 M:10のマイナス3乗モル)。
細胞内のカルシウムイオン濃度はさらに薄く、
血液中の1万分の1程度だとか。


さっぱり分からない世界です。





豆 知 識~その2~

片側顔面痙攣患者さんに嬉しい研究。カモ


柴崎貢志氏のご専門は、
『高次機能統御系脳神経発達統御学 分子細胞生物学』

現在研究されている一つが、
『神経興奮の制御機構の解明』です

柴崎氏によると、
脳内に存在するTRPチャネルに着目し、
神経興奮の制御機構解明を進めています。
現在までに、脳内温度情報を、
TRPV4(34℃以上で活性化)が電気情報に変換する新規機構を見いだしています。
TRPV4遺伝子欠損マウスを用いた生体解析や、
神経興奮を制御する新たなアストロサイト亜集団の解析を行っています。

とのこと。

ちょっと嬉しくなりませんか?ワクワク


群馬大学大学院医学系研究科医学部医学科HP内、
柴崎貢志准教授 (理学博士) Koji Shibasaki, Ph.D.の研究室のご案内より。
本文はこちら。
http://www.med.gunma-u.ac.jp/med-organization/neurosci/
neurosci-development/109.html/


『アンの日記』は、怪我や痛みについてたくさんご紹介しています

『傷跡・傷痕(瘢痕)を残さないためにできること~日焼け予防~
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-314.html

『術後の痛みはがまんするか、しないか?~早期回復のために
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-168.html

『直ぐに使える指の切り傷の止血・消毒方法~最新医療から~』
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-606.html


群馬大学大学院医学系研究科HPニュースリリースより
2017年1月11日
「さする」となぜ神経の突起が伸びるのかという分子機構
―細胞伸展の感知センサー動作原理を発見―
http://www.med.gunma-u.ac.jp/newsrelease/4224.html

プレスリリース
平成29年1月11日群馬大学大学院医学系研究科
「さする」となぜ神経の突起が伸びるのかという分子機構
―細胞伸展の感知センサー動作原理を発見―
PDF http://www.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/
2017/01/H290111-press1.pdf

2016年1月12日 産経ニュース
『痛み、「さする」と和らぐしくみ解明』 群大大学院 柴崎准教授
http://www.sankei.com/region/news/170112/rgn1701120014-n1.html
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comment iconコメント ( 10 )

さとちゃんさんへ!~追記~

先日テグレトールと言う薬の話を書いたので、また続きのお薬の話題が続くかも(かもです)しれませんが、主に手術前の皆さん向けです。たまたま時期が重なりました。ここで薬の話題が出たことに\(◎o◎)/!しています。

名前: アン [Edit] 2017-02-25 07:48

さとちゃんさんへ!

読んで頂けて良かったです。コメントは繋がっている感がしますね(*^_^*)

> 小心者のビビりなんで、薬は抗不安薬飲んでます。
⇒多くの人がビビりですよ~!ビビる部分が人によって異なるかもしれませんけれどね。私も変な所でビビりです。(^_^;)

MVDの手術が人を不安にさせるのは「しなくてもよい手術を自分はしたのかも」と思うからかもしれません。
でも、「チャレンジした自分は偉い!」です。後遺症なく手術が終わって“感謝”です。執刀医とか運命とかにね。
さとちゃんさんは、既に大きな山は登りました。あとは、転がらないように、足を踏み外さないようにゆっくり下山しましょうね。途中、ボトックス村やセカンド村もありですよ。

お薬はちょっとずつ減らしていけるといいですね。この記事、ご参考になったら嬉しいなー。
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-206.html

私も心が乱れるから「写経」をしようと思ってお習字に通いだしました。そしたら、まず字の練習。まだ「写経」すら始められないんです。こんなのあり~って感じです。(笑)

名前: アン [Edit] 2017-02-25 07:40

返信ありがとうございます。
小心者のビビりなんで、薬は抗不安薬飲んでます。
頓服で頼んで処方してもらってます。あまりのまないほうが・・・的なこと言われています。が、飲まないとなんだかしんどくて。。大丈夫な日はもちろん飲みません。

1年のお祝いはまだでした。痙攣止まったら盛大にするつもりでいたんですがね・・

術後は、脅かされていた後遺症はなく、吐きもせず、つらいのは頭痛だけでした。
術後3日だけ、痙攣のない日過ごせましたが、あとはず~~と毎日、程度に差はあれど、痙攣してるので、もう術後だったか、術前だったか、わけわからなくなる時もあります。←ただのボケ?

早く心から笑いたい。道のりは遠いかもですが。。。(泣)

名前: さとちゃん [Edit] 2017-02-24 19:11

さとちゃんさんへ!

こんにちは。返信遅くなりました。読んで頂けるかな・・・心配。。。
まずは、術後一年(過)おめでとうございます。≪祝≫ 頑張った自分お祝いしましたか?まだなら急いでして下さい!

執刀医は転勤されたんでしたよね。減圧術学会はMVDに特化した学会なので、わざわざ参加されているという事は意識が高い医師であることは確かです。ただ、技術を保障するものではないです。(T_T)
心配なのは、お薬のことです。“片側顔面痙攣に効く”と認定されているお薬はないです。ご存知ですよね?お薬は前に書かれていた安定剤みたいなものかもしれませんが「必要かどうか」よくお考え下さいね。
痙攣に効果はありませんが、副作用はあります。MVDを専門にされる先生方は、一般的には、お薬はお勧めされないように伺っています。
痙攣がお辛いなら、術後でもボトックス注射が有効です! 試されつつ、痙攣が治まるのを待つという手も!
ボトックスの名医もいらっしゃいますので受診されてみてはいかがでしょう?痙攣の様子からセカンドオピニオン的な意見も伺えるかもしれません。

※怖がらせてしまうけれど、太い血管を動かしたかどうかと、痙攣は関係がないと思います。太い血管を動かす時に心配なのは、後遺症への影響です。後遺症がなくて良かったです。(*^_^*)

名前: アン [Edit] 2017-02-24 09:14

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名前: - [Edit] 2017-02-22 18:58

本日、病院でした。手術はトランスポジションで、しっかり移動させたそうですが、責任血管が太かったらしく、手術は大変だったそう。。。
やっぱり2年は様子見ってことで、特別治療もなく、薬もらって、雑談して
帰ってきました。
執刀医も現在の担当医も日本脳神経減圧学会で発表されてるドクターなので、信頼してもうしばらく痙攣にたえて生活します。本当につらいけども・・・
 

名前: さとちゃん [Edit] 2017-02-22 16:55

さとちゃんさんへ♪

昨日は、うっかりした書き方をしていました!当たっていて良かったです。お久しぶりです(^○^)
痙攣、気になりますね。二人目の主治医さんはまだ受診されていますか?もしまだトランスポジション、インターポジションのどちらの手術方法かご存知なかったらご確認されるとよいと思います。原因はその辺りにあるかもしれません。

今できることとしては、痙攣している場所でなく、原因となっている場所付近を手当てするとよいかも。
私は、頭や目が疲れたと感じる時は、電子レンジで温めたホットタオルを首の上(術創あたり)に当てています。お手軽に直ぐできるので是非お試しください。術創の痛みには直ぐに効きそうですし、もしかしたら痙攣?ひきつり?にも・・・。
どちらにしろ、気持ち良くてリラックスできますよ♪(*^_^*)

※手術内容のチェックリストはご活用いただけましたか?ご参考まで。
http://20140403az.blog.fc2.com/blog-entry-215.html

名前: アン [Edit] 2017-01-19 11:24

当たり~さとです(笑) コメント非公開じゃなくてもOKなんですが、ガラケーなもんでして、よく間違えます(泣) 11月は痙攣は毎日ありましたが、調子よいと感じていたんですが、寒くなったら、傷は痛むし、痙攣というより顔が1日に何回もひきつるし、凹みまくってました。。

名前: さとちゃん [Edit] 2017-01-18 18:49

1/17日お返事~もうすぐ1年~

こんにちは。
2月に手術されたさとさんでしょうか?違ったらごめんなさいm(__)m
私は、手術穴の少し左をさすっていると気持ち良いです。痙攣とは関係ないかもしれませんが。(^_^;)
前に、鍼灸院の待合室で耳の後ろをさすりながら座っていたら、中国人の先生が「結局自分の身体は自分がよく分かっているんだよね~」と言って笑われていました。
手術前、耳が痛くてよくさすっていたんです。私がさすっていた場所は、鍼灸師的には正しい場所だったようです。
耳の後ろにお灸も据えて頂いていましたが、今回の研究結果を読んで、お灸も「神経再生」に役立っていたのかな~なんて思いました。
「さすり」は熱を伝えるためです。もしかしたらお灸の方が深部にまで届くかも?勝手な想像です・・・。

名前: アン [Edit] 2017-01-18 11:32

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名前: - [Edit] 2017-01-17 19:53

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