夕方4時頃、面談室で、
Mr.脳外=ウルトラマン=調教師=哲学者 である
A医師から退院前説明を受けた。
(全部、私が勝手につけたニックネーム



部屋に入って最初の第一声は、
「風邪治ったね。」だった。

ほぼ毎日会っていたのに…
その一言を今の今まで待たなくても…
A医師は、病室では本当に無駄なことは言わないらしい。




渡された「退院療養計画書」
に書かれていた文章はわずか3行。

○微小血管減圧術を施行しました。 
手術所見:顔面神経に接していた血管を離して、固定しました。
○乳突蜂巣が解放しました。

(「が」って書いてあるところが面白い。


その他、注意書き(療養上の留意点)は、
●腹圧をかけない
●強く鼻をかまない
●トイレでいきまない
●力仕事を控える
&飛行機は1カ月控える



「退院前に必要な説明」は、
あっという間に終わっていまい、
外来予約日を決めて終了。

早い。やっぱり早い。
「ウルトラマン先生は3分しか時間はないのか!」
と思たけれど、
今回はさすがに違って、色々な話を伺うことができた。




A医師曰く、
私の脳は“環境適応能力”が高かったらしい。
“環境適応能力”は手術してみないと分からないって。

少しの脳圧の変化でも、
頭痛や眩暈が酷くなる人もいるし、
逆に感じない人もいる。


片側顔面痙攣の微小血管減圧術では、
患部が出るまで、頭蓋内の髄液を減らす(捨てる)。
最後には、人口液を注入して縫合するのだけど、
圧が手術前とピッタリ同じとはいかないらしい。

加えて、
手術そのものの精神的肉体的ストレスもあるから、
なんらかの症状が出ることは珍しくないらしい。


「私は、先生のことを信頼していたから、
精神的に良かったのかもしれません。」

と言ったら、
「うん。それもあると思う」って。

謙遜しないところが、
やっぱり欧米人的。





実のところ、
私が相談した6人の脳神経外科のうち1人は親戚。
都内でもかなり有名な病院医師だけれど、
その病院の名前を出したら、
「ついこの前、そこの内科の先生の奥さんを手術したよ」
と内輪話が聞けた。
そんな話から、私の病院遍歴の話にもなった。

この時ばかりは、
私がどこの病院と迷ったかを正直にお話したし、
A医師が指導を受けていたT医師(名医と言われる医師)を受診した際の、
話の内容についてもお話した。


T医師の診察の際に、
「A医師からは、手術の難易度は中の上ですと言われました。」
と伝えると、
T医師は、
「A君がそう言ったの(何でだろう)❓」
みたいな反応だったから、
A医師のセリフがずっと気になっていた。






A医師に、T医師の反応を伝えると、
「僕が゛手術の難易度は中の上です”と言った意味は、
その人個人の状態として言っているのではなく、
片側顔面痙攣の手術を受ける患者さん全般にむけてのメッセージ。」
「命にかかわらない病気なのに、
手術すればそれなりのリスクを伴うことになるので、
仮に症状の重さと手術の重さを天秤にかけるとすると、
間違えなく手術の方が重い。」
「だからこそ舐めてかかる手術ではないという意味なんですよ。」

「確立された微小血管減圧術という術式であるけれど、
けっして侮ってはいけない。」
「軽々しく考えてはいけない手術だから、

術者として丁寧に説明すべきだと思っています。」
とのこと。


「患者さんの思いも、知識の程度も差があります。
できるだけ
患者さんの気持ちに早い段階で近づくことは、
非常に大切だと思って外来に座っています。」
ともお話し下さった。



この話を、初診時に聞けていたら、
その後+2人を受診することは無かったのにな~
と思ったけど、口に出さなかった。




改めて考えてみると、
片側顔面痙攣の名医と言われるT医師の予約をキャンセルまでして、
M記念病院のA医師に執刀をお願いするなんて、
けっこう勇気ある決断だったと思う。

ほんとのところ、私には、
世界的に有名な脳神経外科医師に執刀をお願いするチャンスもあった。
(少し時期を先にすれば予約可能だった。)


手術前説明、退院前説明時、
先生のお話しを伺っているうちに、
ちょっと怖そうと思いながらも(しつこく言っててゴメンナサイ
A医師に執刀をお願いして本当によかったな~と、
しみじみと思った。


A医師を選んだ自分に、
今は心から満足。




★ご注意★
~2017年12月頂いたコメントより追記~
乳突蜂巣が開いた方は、特に注意を!

退院二日前のお仲間さんが、
お風呂で鼻をかんだ際に、耳の閉塞感を悪化させました。
髄液漏れは避けられましたが、暫くは、
音楽をやテレビが楽しめない状態だそうです。
看護師さん曰く
「鼻をかみたい時は、口を開けて片方ずつする方がいい」
とのこと。

~≪追記≫~
新幹線利用について

病院からの紹介者も多いM記念病院には、
遠方からの入院患者さんも多くいらっしゃいます。

頭蓋内微小血管減圧術の手術後、
新幹線利用はよくないと言う医師もいらっしゃるようですが、
A医師の患者さんは、
新幹線を使って帰宅して問題が起きたことは今まで一度もない
とのこと。







◆KoKoRoの声◆


~2016年8月追記~

この日の会話で、A医師は、
「それなりの頻度で、診断が異なる患者が来る。」
「自分でも、診断に迷う時がある。
片側顔面痙攣でない患者さんにこの手術をしても絶対に治らない。」
「怪しい場合にはきちんと時間をかけて診断する」

とお話しされていました。

2014年7月~2016年7月までの2年間、
私も実際に、何度か、
片側顔面痙攣と診断され、手術するかどうか何年も迷っていたのに、
いざ手術するために専門医師を尋ねてみたら、違う病気だった」
こんなコメントを頂いています。

今『アンの日記』を読んでくれているあなた、
あなたは、本当に片側顔面痙攣?

少ない症例数しか知らない医師から診断されている皆さんは、
一度専門にされている医師を受診されることをお薦めします。

症状が似ていても、実際は違う病気の場合、
薬が有効な場合もあります。
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私の病名は、右側の片側顔面痙攣
今回受けた手術は、右側の頭蓋内微小血管減圧術。きちんとトランスポジション法で手術することができた。

私には退院前にどうしてももう一度A医師に質問したいことがあった。
初診の時に先生に質問して、否定されていたことだったけれど。

「で、先生。私の左側はどうなんでしょう?」
「ほんとうに当たっている血管はないんですか?」

画像を見てチェック。
「当たってはいるよね。」

「ほらやっぱり!先生は私にウソをついてたんだ!!」

医師はびっくりした顔で、

「違うよ!」
「当たっているかどうかは、あんまり意味がない。」
「当たっていても痙攣しない人もいるから。」


「・・・・。何がいけないんだろう・・・?」
 
「いけないことなんてない。」
「貴女がいけないわけじゃない。」
「今言われているのは、イエローゾーンの存在。」


と図を描いて説明して下さった。



「こういう考えが主流になりつつある。」
とA医師もその考えを肯定している様子だった。

血管が神経を圧迫しても痙攣が起きない人がいる。
なるほど、それは事実なんだろう。

「でも、私は既に痙攣を感じてます。」

「また僕がやるから問題ない。」
「中程度になったらやりましょう。」


「ならないことを祈っていますけどね。」

医師は、最後におっしゃった。

「まずは、今を楽しみなさい。」

私は今度こそ、今度こそ本当に涙がこぼれ落ちそうになった。




私の調べでは・・・
顔面神経と血管の接触は、一般の人でも10~20%見られるらしい。
片側顔面痙攣患者のほとんどが、
脳幹部入口付近の特定部分での血管圧迫によって痙攣がおきている。
そしてMRI画像によると、私の圧迫部位は最も発症率が高いと思われる部位。
おまけに自分で痙攣を感じているのに、この先進行しないと信じることはちょっと難しい。
かな。。。

NEW2015.06追記
 
顔面痙攣と血管との接触は、一般人の20~30%という資料もあるようです。
(コメント頂きました。情報提供、ありがとうございます。

MRI画像で責任血管が認められない(見えない)のに痙攣がある方。
MRI画像で血管が当たっているのに痙攣がない方。
どちらもそれなりの人数がいそうです。
MRI画像だけで確定できない病気なので、やはり専門医の受診がお薦めです。

私が“アンの日記” を書きだしていから、
主治医を替えただけで気持ちが大きく前向きになった方がたくさんいらっしゃいます。


微小血管減圧術のための医師の団体があります。
会長ご挨拶は、手術の現状が分かるとともに、患者の気持ちも汲んで下さるものでした。

ブログを書き始めてから、両側に痙攣を感じる方が思っていたより多いと分かりました。
両側片側顔面痙攣についてご興味がある方はこちらもどうぞ。
2014.04.10「両側性片側顔面痙攣の早期手術について」